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《番犬女》は俺のもの

第26章 決別



「あれ…髪の毛、切ったの?」

「いや──? 後ろでくくってるだけ、ほら」


そう言って首を捻った彼の頭をよく見てみると…ひと括りした髪を帽子の中に入れ込んでいるようだ。


「ふふっ、本当ね。今日の茜ちゃんは凄く格好いいわ。なんだか照れちゃう…」

「…っ…ああ」



──なんの事はない


皆が注目するその青年の正体は茜だったのだ。



いつもの制服でもない
ランニング用のジャージでもない


男物の服を着こなす茜。


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