《番犬女》は俺のもの
第5章 因縁
茜はベッドから身を起こした。
今日は第二月曜日。2学年は朝礼の前に学校周辺の清掃活動がある。
…これは、《女子高の方の》凰鳴高校の古くからの伝統らしい。
「…ふぁ…」
彼女はあくびをしながら立ち上がる。
広いとは言いがたい部屋から出て、暗い廊下を電気もつけずに歩いた。
洗面所に向かった茜はコップに水を汲んで口をゆすぐ。
シャカ シャカ シャカ .....
歯を磨いているうちに
徐々に頭がさえてくる。
これが彼女流の手っ取り早く目を覚ます方法なのだ。
茜は黒髪を後ろでひとつに束ね
パジャマからジャージに着替えると家を出た。