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《番犬女》は俺のもの

第5章 因縁


日課の朝のランニングだった。

二階建てのアパートの階段を下りて走り出した茜。


「…いい具合だ」


さすがスポーツの秋

今朝もこの涼しさが運動するにちょうどいい。



────



走るコースは大体が決まっている。


駅の方に向かえば人通りが増える上に、信号などで足止めを食うことが多くなるため

彼女はあまり駅付近には行かない。



とくにこの時間帯だ。


閑静な住宅地の中を走りぬける彼女の姿を見るものは少なかった。


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