《番犬女》は俺のもの
第28章 ──…逃げるな
「つまりだな…ッ」
「ピンポン、正解だよ茜さん」
ニッコリと笑ってみせる零。
「茜さんの推測どーり、俺、子供の頃から鋭利なもの恐怖症なの。──…だからさ、もうその鋭い目付きで睨み付けるのはやめてね♪」
よくできました♪
彼女の頭を よーしよし
「そういうことでっ」
元気いっぱいに、零は今度こそ脱衣場を出ていく。
「──…」
───ヒュ ッ
「…ぐ ハッ」
「いい加減にしろ…」
背を向けた彼の首に、再び巻き付いたタオル。
巻き付いたそれを
今度は容赦なく引っ張った──。
眉間にシワをよせ…
言われたそばから目を鋭くして…
「──…逃げんな」
「……いッッ」
「逃げるなよ…篠田…!!」