《番犬女》は俺のもの
第29章 ハダカの心
茜さんの行動、もろもろのせいで…
俺もうホントに、余裕がなくって
「…茜、さん…ッ、俺の──」
「……っ」
「俺の、全部、受け止められるの?」
「…大丈夫って、言っただろう」
「覚悟できてる?」
少しだけ身体を離して
茜の涙をぬぐうように指を滑らした零。
「サカッたオス犬みたいになっても…?」
キスしようと、顔を近付けた。
「今までより激しいよ? もし…途中で嫌がっても」
軽い口付けを落としてから
低い声で囁く。
「──…やめてあげない」
「…大丈夫だッ」
「…わかった」
熱い、零の眼差しが──
そして彼は、茜の唇を力強く奪った。