《番犬女》は俺のもの
第30章 茜さんは、俺のもの
「…ふッ…ツ」
零の唇が押し付けられて、驚いたのか…。
それとも、泣いているからこその嗚咽なのか…。
「…震えてる…じゃん…っ」
「…ッ」
彼の手に両肩を掴まれて、茜の身体は僅かだか縮こまった。
顎をあげて目を閉じた茜は、零の舌に導かれるままに口を開け、自身の舌を出す。
《 大人のキス、教えてあげるよ 》
…そんな挑戦的な言葉を
零に言われてから、これで三度目──?
こんな風に、こんな…エロいキスをしたのは。
「…、は…っ」
「…ッ ハァ…、ぁ、…は…」
息が、声が
熱い吐息が、溢れる唇──。