《番犬女》は俺のもの
第30章 茜さんは、俺のもの
「…ハ ァ…は、は…」
「…もっと…舌、出して…‥。
俺が引いちゃうくらいの…ハァ、エロいキス」
「…ふ…ッ 、ン…」
「ああ…、…、そうだよ…っ 茜さん…」
零は途切れ途切れに囁きながら、これ見よがしに絡ませてくる。
茜は正直
恥ずかしくて死にそうだった。
こうやって…馬鹿みたいな駆け引きで
互いの想いを確かめあって、安心して
それが恋人っていうもの…なのか?
「…っぁ、…篠田…!」
茜が舌を引っ込めて、荒げた息で彼に問う。
「──…なに? 」
「…私たちは ハァ…、恋人…! なのか。
お前と私は──付き合ってるのか?」
いつかの学校の屋上で
彼女は零に、同じことを聞いたんだっけ…。
その時の返事は NO、だったけど。
「…フフ…、さぁ…!?」
それを思い出した零は、とぼけるように笑いながら返した。
「でも俺の、茜サンへの重たーい愛は、あの頃からずっと変わらないよ」
零は彼女のブラのホックをはずして
腕から素早く引き抜かせると、胸の頂に唇を寄せる。
「……寧ろエスカレートしてる」
「…く、ッ あ…」
まだ指で弄ってもいないのに、いきなり喰らい付いた。