《番犬女》は俺のもの
第30章 茜さんは、俺のもの
「イク瞬間の茜さんって……、ホント、いい顔するよね」
「…っは…ッ、ハァハァ…ハァ…ハァ」
「…ほら、見てみる……?」
「……!?」
茜の絶頂を見届けて、ゆっくりと唇を離した零。
彼は立ち上がると床に落ちたままだったシャワーを手にとって、鏡に向かって湯をかけた。
鏡を覆っていた曇りが、それによって洗い落とされる。
「……ハァ、…っ」
するとそこに…息を乱す茜の、力なく壁に寄り掛かる全身が映りこんだ。
零は蛇口をひねって湯を止めると、再び彼女のもとに戻り、その隣で囁く──
「スゴく綺麗な顔してるでしょ…?
目がとろけて…ほっぺた真っ赤で……ああ
赤く染まってるのは…全身、だね 」
「──…!」
茜が見たのは、自分かと疑ってしまうくらいの無防備な表情で、なんとかそこに立っている女だった。