《番犬女》は俺のもの
第30章 茜さんは、俺のもの
「おっと…、まだ倒れないで、茜さん…っ」
「…ッ…ハァ」
膝が抜けそうになった茜がグラリとよろけたので、慌てて零が腰をつかんで引き止めた。
倒れないよう、壁に押し付け直す。
「指から…入れるね」
グッ....
「…っ…」
「痛い…?」
「…痛くは…、ハァ、ないが…!」
絶頂の余韻でうねるナカが、零の指を包む。
そこは蜜で溢れていたから、少し指の角度を変えただけで水音を響かせた。
とはいえ狭いその場所を、ほぐすようにじっくりと動かしていく。
じっくりと……
手前から、少し奥まで。
「…ぅ、…っ」
「茜さん…!」
零は空いている手を、自身のベルトにかける。
啄むように茜の唇にキスをしながら
苦しそうに問い掛けた。