《番犬女》は俺のもの
第31章 茜の反撃
キッチンに立ち包丁を手にした茜を、隣の梗子が不意打ちで写真におさめた。
「…ど、どうしたの花崎さん」
「うふふ、ゲット♪」
撮った写真をデジカメの画面で確認しながら、梗子が悪戯っぽく微笑んでいる。
「──…エプロン姿の茜ちゃん」
「……ああ、これか(汗)」
茜は自分の姿を見下ろした。
梗子が貸してくれたのは
白のフリフリ&リボンヒラヒラの可愛いエプロン。
“ 何も言わずリビングに消えたと思ったら…カメラを持ってきていたのか ”
別にエプロンのデザインなど気にしないが…写真に撮られると恥ずかしい。
「これを現像して、贈り物にいれちゃおうよ」
「…そ、それは…気が向かない…!」
水色エプロンの梗子の提案に
茜は苦笑いで返した。