《番犬女》は俺のもの
第31章 茜の反撃
「…開けろよ…// …そして食べろ」
「…ゴックン」
零が口の中のものを一瞬で呑み込んだ。
箱を持った彼は、すぐには開けずまじまじと見詰める。
「早く開けろって…!!」
「うん…」
リボンをほどいて
パカッ
ふたを開ける。
中は六つの正方形型に仕切られており、そのひとつひとつに丸いチョコレートがおさまっていた。
茜が昨日、梗子に教わって作ったのはトリュフだったのだ。
粉砂糖や、カラーパウダーがまぶしてあるもの
チョコレートコーティングをしてあるもの
それぞれに違うおめかしをしたトリュフ達がそこにいた。
零は無言でそのうちのひとつを指で取ると、口にいれる。