《番犬女》は俺のもの
第7章 誘拐
「…それ、と……、もうひとつ、まさかの共通点が見つかりました……! 」
「──ん?」
もうひとつの共通点?
なんのことだ?という表情で茜が聞き返せば、女生徒は苦笑いを浮かべて机の上を見た。
「その食欲が…!」
机の上に置かれた、茜の弁当。
重箱のような弁当箱に入った、大量の米と肉
横には2リットルの牛乳パック
信じられない食欲だ。
「このっ、このキャラクターも実は大食いで…。
主人公が作った晩御飯を、無言でペロッと5人前食べてしまうんです」
「普段は冷たい態度のクールな彼が、まさかの大食いというギャップに胸キュンな場面よね。そして言った台詞が…『不味くはない』だもん」
「5人前食べたあとに言うことじゃないよね!その素直になれないところが可愛いっていうか…//」
「………」
私は可愛いのか…!?
キュンキュンしている彼女たちの言いたいことが、茜にはいまいちわからない。