《番犬女》は俺のもの
第7章 誘拐
すると、そこに別の女生徒が加わる。
「…わたしが好きなのはこの人」
同じようなキーホルダーを茜に見せた。
「爽やか腹黒系★です!」
「…???」
爽やかと腹黒は両立するのか!?
いや…確かに、両立しないこともない……か。
「というよりみんなは腹黒が好きなのか…!?」
「ギャップ、ギャップですよ!」
「この爽やかな笑顔とのギャップが…」
茜はキーホルダーを凝視する。
彼女たちが言うとおり、腹黒とは思えない優しげな表情の美形男子だ。
──そして爽やかだ
「──…?」
この金髪の男
誰かに似てるような気がする…。
ジーっと見つめる茜
周りの女生徒がざわめく。
“ え…どうしたのかしら茜さん ”
“ 腹黒男子に食い付いた!? ”
“ そんな…っ、腹黒がタイプだなんて、まさか茜さんって…… ”
クールな見た目で、実は──
“ 実は…受け…!? ”
そんなバナナ