すべてはあの日から
第4章 お母さん特製桜餅
「真央が桜を観てたって言うまで、
俺ん家の桜が満開だってことに気付かなかった。
……自分のことばっかりで、
全く周りが見えてなかったんだ。
こんなカッコ悪い男じゃだめだって…
やっと今 自分が何をすべきか分かった。
ありがとう、真央」
このときの笑顔は、
いつもみたいな優しい笑みじゃなくて、
前に進もうとしている清々しい笑顔だった。
だから、
さようならって、
もう来なくていいよ、
そう告げられたみたいな…
斎藤さんとの距離が遠ざかったように思えた