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すべてはあの日から

第4章 お母さん特製桜餅



「……俺さ、
真央と出会って 本当に良かった」


しみじみと思い出すように呟く斎藤さんが 何を言いたいのか分からず、

じっと正座する自分の手を見ていた。



「出会い初めは 妻が亡くなって、まだ一ヶ月だったから

何で自分じゃないんだ、とか

独りで逝かせてしまった、とか

いろいろと自分を非難して…

結局 どうにもならないって現実を突き付けられて…気が立ってた」


だから 初めて会ったときは、あんなに口数が少なかったんだ…


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