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すべてはあの日から

第5章 無性に…

―――‐‐‐…



「真央様、御当主がお呼びです」


無機質なノック音で我にかえる


「……!」

頬が濡れているのに気が付き、
急いで涙を拭う。


「…真央様?」

「い、今行きます」


慌ててドアノブを捻ると、
メイドの遠藤 彩李(サイリ)が心配そうにこちらを見ていた。


遠藤さんは、子持ちの40代女性。
そのお子さんと私の年齢が近いということで、
私の世話役として働いている。


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