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スーパーボール

第15章 ペンシック*山*ペン入れ

「え?〆切が早まった?」

白いタオルを頭に巻いた作者さんに、
凄い睨まれる。

「す、すいません」

俺が謝りきる前に、ペンを握り直して
原稿へと向かう。

「ニノ」
「聞いてました。〆切の話ですね」

作者の大野さんが、アシスタントの二宮君に声をかけた。

「悪いけどトーンから背景にチェンジ」

「もうすでに、やってます」

この二人は、かれこれ10年の付き合い。
だから阿吽の呼吸で仕事をやり遂げる。

「櫻井さんも突っ立ってないで、ベタ塗りくらいしてよ」

二宮君から、キツいお言葉をもらう。

「ニノ、次コレ」

床に紙を投げる大野さん。
原稿ってこと忘れないで欲しい……。

「あ、あの……大野さん」

「なに?」

「俺も、手伝います」

そう言うと驚いた顔をして、俺を見て
しばらくすると微笑んだ。

「珍しいね、ありがとう」

そう言ってくれた。

「遅れてごめんなさい!」

二人目のアシスタントの人が、到着して
ペースは更に早まった。

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