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スーパーボール

第15章 ペンシック*山*ペン入れ

「お疲れさまです」
「お疲れさまでした!」

二人のアシスタントが帰った後は、
次の話の打ち合わせ。

「〆切、ごめんなさい!」
「あー、いいよ。そんなに気にしてないからさー」

軽い口調で、俺に言った。

「あ、次のネーム出来てるよ」

ネームと言うのは、原稿の前に書く下書きみたいなもの。
これで、ストーリーの展開を読んでアドバイスをする。

渡されたネームは、一話じゃなくて
三話分だった。

「え?こんなに?」
「え、ダメだった?」

ゴリッと、大野さんの口のなかで飴が粉々にされた。

「いや、いいんです」

全てのネームに目を通した頃には、
大野さんは寝ていた。

「…お疲れさまです、小佐野先生」

タオルケットをかけると、
手を握られた。

「翔ちゃんも、お疲れさま」
「っ!」

「もう、仕事はおしまい」

ふにゃっとした笑顔に何度も、
助けられたし、癒された。

「しょうがないな…明日にはネーム完成させるからね?」

「うんっ」

小佐野先生は、俺の恋人です。

-END-

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