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スーパーボール

第20章 ペンシック*山*トーン

(大野side)

「…翔ちゃんのアホ」
「なんでよ、気持ちかったでしょ?」
「…………そうだけどさあ」
「何がご不満ですか、姫様♡」
「…えへへ、姫様?」
「あ、間違った」
「ちぇっ、なんだよ」

「俺の奥さんだったわ」

「…」
「んれ?違った?」

俺は頭を横に必死で振った。

「もー、必死すぎ」
「翔ちゃん」
「ん?」
「新人の子と俺みたいにならない?」

俺が新人の時、翔ちゃんと出会った。
本当に一目惚れだったんだ。

それから、俺は翔ちゃんと過ごす時間を少しでも増やしていった。

あれは、7月9日だった。
翔ちゃんと事故ちゅーをした。

でも、翔ちゃんは俺を離さなくて、
「櫻井、さん?」って言ったら慌てて謝ったんだ。

だけどね。
あれがあったから踏ん切りがついた。

「んあ?なんねえよ、バーカ」
「本当?」
「お前、本当心配性だよな」

ケラケラ笑う翔ちゃん。
翔ちゃんは俺に心配掛けすぎ。

「お前がいんのに、なんで他の奴とイチャコラしなきゃいけねえんだよ」

……翔ちゃん、大好き。

「あ、そーいやそろそろ新作の制作に
入れって編集長が言ってたぞ」

「新作かあ……
俺と翔ちゃんの話にしよっと」

「ああ?バカじゃねえの?小佐野先生の王道バトル漫画を待ってるチビッ子が沢山いんだぞ!?」

「ええー、いーじゃん」
「ダメだぞ、許さねえぞ」

「悪い子にはお仕置きをして♡」
「…ヤりたいのか」
「翔ちゃんが欲しい♡」
「今度は手加減しねえぞ」

「いやん♡翔ちゃんのえっち♡」
「んー?また名前で呼ぶぞ?」
「呼んで♪」

「さーとーし」
「しょーお」
「小佐野先生」
「……やだ」

「ふふっ」
「えへへ♡」

大好きな翔ちゃん。
大好きな漫画。
大好きなアシスタント。

俺、もっと頑張るからね。

-END-

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