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スーパーボール

第1章 カレンダー*山*復縁

(櫻井side)

数年前、俺はある男を愛した。
更に数年前、俺はある男に捨てられた。

「はぁ…」

いつまで経っても、この温もりが残ってるはずの家を離れられない。

過去を捨てきれない。

消えかけた紙は、もう手元にないんだ。

アイツの物は、もう残ってない。

もう、独りだ。

誰とも、付き合う気はないし
人を愛す気もない。

アイツがいなくなった俺には、
なにも残らなかった。


生きてる感じがしない。


だけど、今でも俺に構う男がいる。

一旦、俺を捨てたのに。

なんで、構うんだよ。
俺に近づかないでくれよ。

前なんて、向けないよ。

あんな、幻聴まで聞こえるんだから。


ニ『翔くん』


部屋を歩くたびに聞こえる。

俺の名前を呼ぶ声。
『好き』だと、言う声。


どうしたって、忘れられない。

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