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スーパーボール

第7章 カレンダー*櫻宮*海風

(二宮side)

何だかんだ、幸せな生活を送っている。

海の近くのアパートに住んでる。
意外と、家賃も安くて大家さんにもいろいろとよくしてもらってるし。

いつもの仕事を終えて、
アパートに戻るとドアノブに紙袋が掛かっていた。

「ん?」

その紙袋を恐る恐る覗くと、
体が硬直して紙袋が固いコンクリートに落ちた。

なんで、ここにあるの?
ここにあるはずもない“エプロン”。

「……な、んで」

この“エプロン”を持ってるのは、
あの人しかいない。

けど…この軸にいるはずな──

『二宮くん』

聴こえた。
あの人の声が聴こえた。

『二宮くん、こっち向いて?』

後ろだ。
あの人は、後ろにいる。

ダメだ。
なんで、ここに来たのかわかってるだろ?

翔くんから、離れるためでしょ?

だから、軸まで変えてきたのに。

「……ごめんなさ、ッ!」

翔くんの体温が、俺に伝わった。

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