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スーパーボール

第7章 カレンダー*櫻宮*海風

櫻「見つけた」

幻聴じゃない。
肉声だ。

耳に、吐息がかかる。

櫻「迎えに来たよ」

低い、優しい、温かい、甘い……
翔くんの声だ。

涙が溢れた。

「しょ、くん…」

名前を呼ぶだけで、涙が止まらない。
ちゃんと、声を出したいのに…出せない。

「翔……くん」

櫻「二宮くん、会いたかった」

嬉しいはずなのに、
正面から抱き合わないのは、
まだ、俺が躊躇してるからだ。

俺から離れたのに。
翔くんのもとに戻るなんて……

身勝手過ぎる。

櫻「二宮くん」

「ごめんなさい……」

櫻「いいよ」

「翔くんの元には、戻れない……」

櫻「知ってる」

「じゃあ、どうし─」


櫻「俺が、二宮くんの元に戻りたいんだ」


「え?」

櫻「俺のとこに戻らなくてもいい。だったら俺が二宮くんの元に戻る」

まだ硬直したままの俺に優しく、
耳元で囁いた。

櫻「二宮くん、ただいま」

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