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スーパーボール

第12章 エンジェルクッキー*にのあい*視線

(相葉side)

和也がいなくなった。

一回目は、戸惑った。
「バスケ、上手いね」
そう言って、拍手をくれた。

二回目は、納得した。
「俺、体温低くて…」
触れた手は、葬式の時に触れた時と同じ体温だった。

三回目は、いっぱい話した。
「勉強?運動より得意だよ」
嘘だった。
和也は、勉強が大の苦手。

でも、嘘ついてる感じでは無かった。

記憶が、曖昧なんだと思った。

四回目は、告白した。
「死んだ俺も許して…」

和也は、昇天した。
いなくなった。

泣いた。
泣くつもりなんて、なかった。

だけど、涙が溢れた。
止めどなく、溢れた。

涙も、出なくなった頃。


『何してるの?』


声が聞こえた。
和也の声じゃない。

でも、俺はその声に反応していた。


『泣いてるの?』


少年だった。

「…悲しくて」

『ママと、はぐれちゃったの?』

「違うよ。好きな人とはぐれたんだ」

『でも、お兄ちゃんバスケ上手だよね?お兄ちゃんにはバスケがいるよ!』

「え?」

『俺、バスケ大好きなんだ!お兄ちゃんに教えてもらいたくて来たの』

「俺に?」

『お兄ちゃん、天才だから!』

眩しい笑顔は、
和也の面影を感じさせた。

-END-

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