
甘い果汁
第8章 とろける果汁
部屋に戻って、
ベッドに飛び込んだ。
(悠也は、イケメンだし、好かれるから…)
(女の子と、いっぱい関係持ってるよね)
じわーーっと、涙が溢れてきた。
(何、私焼いてるの…。 彼女じゃないんだよ…っ?)
私は、声を押し殺して泣いた。
何で泣いてるのかすら、わかんなくなっていた。
――――――…
「~♪」
今日は悠也の誕生日だ!
箱に入れたケーキを見たら、にやけてしまう。
「喜んでくれるといいなぁ」
「…………………………」
「あっらぁ…亜衣ちゃんドンドンマイまーイ(棒読み)」
朝、ちょっとでも早く学校に行って、悠也にケーキを渡そうと思っていたのに…
「悠ちゃ~んっ、お、め、で、と♡ チュッ」ほっぺにキス
「悠也クンッ、これ、食べて♡」手にはクッキーらしきものが入っている袋
「私の愛を、ふぉーゆーぅっ」投げキッス
「皆、サンキュ~っ、俺、嬉しい☆」とびっきりのウィンク
