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甘い果汁

第8章 とろける果汁



 「ウケるwww 投げキッスってwww」


 隣では風奈がケラケラ笑っていた。


 (最悪… こんなんじゃ、ケーキ渡せないかもぉおおっ)


 「あっ! そうだ!カバンに入れよう!」


 本当は手渡しで渡したかったんだけど…


 悠也の席は、窓側の一番後ろの席。


 「ワオ」


 悠也のスクールバッグには、


 たっくさーんのラブレターに、


 たっくさーんのお菓子に、


 たっくさーんの愛(これは亜衣の思い込み)が、


 詰まっていて、カバンから流れ落ちていた。





 一時間目が終わっても、

 二時間目が終わっても、


 悠也は女の子達に囲まれていた。


 それを見るのがつらくなって、

 無意識に生徒会室に逃げた。

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