テキストサイズ

小百合

第12章 【狂い咲き】悪い女

スーツのお二人様。
カウンターの小百合と綾さんを挟んで座りました。

「先程から拝見してましたが、お連れの男性の方はいらっしゃらないようですね。」

なんで小百合の方に年上のオジサマなのよ。
ま、いっか。

40歳過ぎ位の背の高い紳士と、綾さんの向こうに、中肉中背の30半ば位の紳士。

綾さんも、御主人様(佐武さん)から、小百合と同じことを言われてたから、アイコンタクト。

OK!

「そろそろ、帰ろうかって思ってたけど、ご馳走して下さる?」

「喜んで。何を飲んでらっしゃる?」

小百合ね、棚の上のシャンパンを指差したの。

「わかりました。」

ヤル気マンマンじゃん。

カンパァ~イ。

以下、こんな会話だったかな?

「今日は、女性お二人でデートですか?」

「うん、脚、疲れたァ。」

「こんな時間だ。お食事は済まされちゃったかな?」

「うん、さっきね。」

「ところで、お名前は?」

「ねぇ、オジサマは、初恋の女性の名前って覚えてらっしゃる?」

「随分、昔のことだからねぇ。
小学校の頃、チアキちゃんって子が好きだったなぁ。」

「じゃあ、私をチアキって呼んでいいよ。」

「・・・貴女は・・・そうしましょう。
チアキさん、終電のことは、忘れましょう。」

「チアキね、このホテルのスィート、泊まったことないの。」

「バーテン!」

まさかねぇ。
高いお部屋だよ。

ありゃ、おテテが太ももに。

綾さん達も盛り上がってるし、
ま、いっか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ