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小百合

第2章 【記憶】トラウマ

小百合は、一人っ子です。
帰っても誰も居ないし。
独りで、アリさんを何時間も追い掛けたこともあるよ。

いつもの近道にね、時々、お兄さんがいるの。

ほら、少しアブナイ系?

最初のうちは、コッチを見てるだけだったけど、だんだん、小百合を待ってるような感じ?

だんだん、近寄ってきて、ある日、お菓子を貰ったの。

毎日、あの路地の蔵の前の石段に座っているようになりました。

小百合ね。
あの頃ね。

スッゲー、可愛かったんだよ。
ホントなんだから。

男の子には、よくイジワルされてたけど、それってほら、そゆことらしいです。

あの頃の小百合としては、なんでイジワルされるのかわかんないし、喋らないほうだったから、イヤがらないし、怒らないし。

ん?

勉強は出来た方だったんだからね。

あの日の帰り道、
お兄さんが、近付いてきました。

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