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小百合

第2章 【記憶】トラウマ

手に何か持ってる。
お菓子かな?

お兄さんは、ニヤニヤしてるけど、怖い目をしてた。

誰もいない畑と物置きの間の細い抜け道。

お兄さんは、ナイフを持ってました。

いつもの蔵の扉が開いてる。

「後でお菓子やるから、コッチに来なぁ。」

お腹にナイフを突き付けられたの。

首を横に振って、ヤダッて言ったの。

そしたら、ガバッって抱えられて、蔵の中に連れ込まれました。

怖かったよ。
怖かったよぉ。

だって、
「騒いだら、殺しちゃうぞ。
通学路を通らないから、イケナイんだぞ。
誰かに言ったら、殺しちゃうぞ。」

怖かったよぉ。
トラウマになったもん。

小百合の性癖は、この時の記憶なんです。

この時の記憶は、恐怖の記憶。

恐怖の記憶を快楽の記憶に塗り替えた人のお話しは、また、別の機会に・・・ネ。

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