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小百合

第6章 【闇と光と】春と冬の記憶

「また、頼むわ。」
「会議室、綺麗にしといてね。」

乱された服のまま、しばらく動けなかったよ。
会議室の床に寝たまんま。

涙が出るワケでもなく、ボ~っとしてた。

起き上がって、服を着て、白いのを拭き取って、机を元に戻して、電気を消して、トイレの鏡で整えて、事務所の点検を確認して、守衛さんに挨拶して・・・

考えるのイヤだったもん。
だって、どうでもいいじゃん。

・・・・・

辞表って、書いたよ。
全部、課長に告げました。

社会の片隅で起きた、社内のスキャンダル。
小さな出来事。

会社の処置は淡々とされました。

小百合ね、逃げたの。

御主人様?
知らない。

彼ら?
知らない。

もう、関係ないもん。

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