テキストサイズ

2次元クエスト~ドラゴンの騎士~

第3章 武者修行




クロコダイン「いいかリュウ、姿の見えない敵に出くわした時には心眼を使うんだ」

リュウ「心眼?」

クロコダイン「うむ、目で見える情報に頼らず敵の気を感じるんだ。心眼を極めればガス生命体やアンデット系のモンスターにもダメージを与える事が出来る」

リュウ「……うーん、難しいな」

クロコダイン「直ぐに出来るものではないわ。特にお前には実践経験が圧倒的に足りん」



リュウ「心眼だ……」

リュウは静かに目を閉じた。

ゴメ「リュウ、目なんか瞑ったら何も見えないよ!」

ゴゴゴゴゴ!

デスモール「土竜回転撃!」

デスモールは、リュウの斜め後方から現れた。

ザクッ……

リュウ「つっ!」

デスモールの爪がリュウの背中を掠める。

デスモール「ふはははは、致命傷は避けたか。だが次で終りだ」

デスモールは直ぐ様地中に潜り直す。

リュウ「ダメだ、音が邪魔して集中出来ない。こうなったら一か八か……メラ!」

リュウは、クロコダインとの特訓で身に付けた火炎呪文をデスモールが入った穴の中に放った。

デスモール「あちー!」

デスモールは地中の熱気に堪えきれず、外に飛び出した。

リュウ「今だ……『相楽流剣の型その1睦月』!」

リュウは、全体重を鉄の剣に預けデスモールに突進した。

デスモール「ウゲェ!」

鉄の剣は、デスモールの心臓部に深々と突き刺さる。

デスモール「まさか……俺様が……こ、こんなガキに!……ヴェルザー様万歳!!」

ガクッ……

リュウ「手応え有りだ……」

相楽流とはリュウの父親が当主を勤めていた剣術で、12の型からなる秘伝があった。

一の型睦月は己が持つ全ての力を剣に預け、一撃の元に敵を撃つ正に必殺の剣である。

ゴメ「やったね、リュウ!」

リュウ「はぁ、はぁ……皆は無事に逃げれたかな?」



ドグラ「む、デスモールが死んだか……アバン、クロコダイン、今日の所は大人しく引き下がろう。次に出会った時がお前たちの命日だ!」

バシュン!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ