Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第3章 Step 3
どうしたの? 最近ミスが多いね」
「すみません、気を付けます」
ぽたり、と無意識に涙が零れてしまった
いけない… 先生、気付きませんように
「何か悩みでもあるの?」
「……」
里見が溜息をついた
「今日はこれで終わりにしようか」
一果は思わず里見の胸に縋り付いて泣き出してしまった
「な、にか… あった?」
「ごめ、なさ、い」
驚いた里見は行き場の無い両手を上げて目を泳がせる
一果は自分のしていることに気付き、慌てて里見の胸から顔を離して下を向いたままふるふると首を横に振ると目をごしごしこすった
上を向いてにっこり笑うと里見と目が合う
「なんでも無い… んん…」
気付いたら両手首を掴まれキスされていた
「んっ…」
一瞬、唇と唇を重ね合わせるだけのキスだったが、一果には初めてのキスだった
「すまない… 今のは忘れて」
「……」
「…今日はこれで終わりにしよう」
里見は帰ってしまった
先生にも嫌われちゃったかな…
その夜一果は久しぶりに熱を出した