Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第11章 Step 11
見慣れない天井が目に入る
自分の置かれている状態がのみ込めず、しばらくぼーっと一点を見つめながら思考を巡らせる
頭が痛い
ゆっくりと周りを見回す
ここは… 病院?
「いっちゃん 気がついた? 良かった… あなた、玄関で倒れてたのよ ずぶ濡れで… すごい熱だったから念のため入院したのよ」
「叔母様、私…」
「わかるのね? ああ、良かった どこか痛いところは無い?」
ああ… そうだ ベンチに座っていたら雨が降り始めて…
「頭が…」
「まだ熱が下がらないのよ あなた、気を失ったまま丸一日寝てたのよ」
丸一日…
「ああ、そうそう、高校の同級生の… 佐藤くん、同じゼミなのね あなた、休んでるし返信が無いからって心配して連絡くれたのよ… 入院してるって言ったらお見舞いに来てくれたのよ」
「佐藤くんが?」
「あなた、意識無かったし… また来ますってすぐ帰っちゃったのよ」
佐藤くん、来てくれたんだ…
「看護師さん呼んで来るわね 目が覚めたら呼ぶよう言われてるから」
先生の診察が終わると安心した叔母は一度帰宅した
「熱が下がったら退院して良いって… 良かったわね 明日また来るから」
「ありがとう、叔母様」