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Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー

第13章 Step 13



「きゃー、気を付けて帰るんだぞ、だってー」

里見がいなくなるとそれまで息を潜めて二人のやり取りに耳をそば立てていた周りが途端に騒ぎだした

「ねえ、ちょっとあなた、里見さんの妹さん?」

「まさか、ここの学生じゃないわよね」

「まさかぁ、高校生よ、ね?」

気付けば囲まれて矢継ぎ早に質問攻めにあう

「あ、あの、私…」

殊勝に質問に答えようと思っても一果の声はかき消されてしまう

矢継ぎ早の質問攻めにいたたまれなくなって耳をふさぎながら立ち上がると椅子が倒れてしまった

「いきなり何? この子」

「い、妹じゃないです」

「里見さんの妹じゃないんだったら遠慮はいらないわね」

「あなた、里見さんを独り占めして良い気になってると私達ファンクラブが黙っていないわよ」

「なあに? この子、図々しい ここまで追いかけてきたってこと?」

「ち、ちが…」

「まあ、いいわ あなた、お名前は?」

「山野、山野一果です」

「一果?」


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