Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第15章 Step 15
泣くもんか…
一果は呼び出されて何があっても取り巻き連中の前で絶対に泣かないと覚悟を決めていた
良かった
一人でなんとか切り抜けた
でも、確かに彼女達の言うことにも一理ある
全くの正論である
里見さんのためなら何でもする
という彼女達の一貫した姿勢には一果も感心せざるを得ない
何故か一果は不思議と冷静だった
人って本当に悲しい時、涙も出ないし、きっとこんな心境になるのだろう
本当に里見さんのことを思うなら…
里見さんのためなら…
私は里見さんに何をしてあげられるだろうか
一果なりに色々考えたが、やはり研究の目処が立つまで会わない、という選択肢しか思いつかなかった
今までもそうそう会えてはいなかったのだから、後1年半会えないのを一果が我慢すればいいのだ
毎日同じキャンパスに、こんなに近くに通っているのに会えないなんて悲しい
元々里見に憧れて受けた学校なのに
けど、今の一果にできることと言ったらやはりこのくらいしか思いつかない
1年半か…
まるで織姫と彦星
などとツッコミながらいつの間にか寝落ちていた