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Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー

第15章 Step 15



それから一ヶ月はあっという間だった

元々あまりマメな方ではない里見から、そう頻繁に連絡が来るわけでもなく

とは言え、少なくとも月に一、二度ほど、時間が空けられそうだから、と誘いのメールはあったが、なんだかんだと理由をつけて断るのはそう大変なことでもなかった

初めのうちは慣れない大学でゼミが忙しくて課題に追われて大変だの、バイトが忙しいだの、適当に理由を付けては断っていたのだが、そのうち里見を誤魔化すのがだんだん辛くなってきた一果は家庭教師のバイトを無理して増やすようになっていった

そして、大学が夏休みに入りしばらくすると、さすがの里見も違和感を持ち始めたようで、メールの内容がそれまでとは少し変わってきた

___何かあった?

___どうしても会いたい、少しでいいから何とか時間作れないかな?

___顔が見たい、研究室に寄ってくれないか

などと今まで寄こしたことの無い内容で、一果は泣きながら断わりの返信をしなければならなかった

一果が里見と会わなくなって三ヶ月が過ぎようとしていた



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