Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第16章 Step 16
取り巻き連中のこともあり、勘のいい佐藤は一果を気遣いできるだけ一人にしないよう何かと声をかけて来た
幸い取っている講義がほとんど被っているのでサッカーの練習がある日以外は帰りも出来るだけ一緒に帰るようにしていた
一果が一人で帰る日は何かあったら必ず連絡するよう約束させた
里見とまでははいかないが、学内ではかなり目立つ存在の佐藤のことだ、そのうちあること無いこと噂されるようになった
___大人しそうな顔をして佐藤に言い寄っている
______優しい佐藤は一果から迫られ断れず一緒にいる
____一果が佐藤を身体で繋ぎ止めている
などなど
知らぬは本人たちだけ、である
聞くに耐えない噂まで流れ始めた頃、ついに佐藤の耳に入った
「なんだよ、それ」
「やっぱり知らなかったのか」
「誰がそんな酷いこと…」
「いやいや、俺らはわかってるから、一果とお前は高校の頃から仲良かったから、さ」
サッカーの練習の後、やはり、高校の頃からの同級生が佐藤の肩を叩く