Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第19章 Step 19
「あら、 あなた… 」
「……!」
「四季が助教になったの、あなたご存知?」
「…はい」
「あなた、まだつきまとっているんじゃないでしょうね」
「いえ…」
「もう以前の四季とは違うのよ… 助教と学生が噂になんかなったら大学での四季の立場はどうなるかしら…」
「もう… 会っていません」
我慢の限界だった
俯いたまま言葉に出した途端、一果はポロポロと涙を零した
「今までそうやって男を繋ぎ止めてきたんでしょうけど… あなたも少しは大人になったんでしょうからわかるはずだわ、四季の立場と将来をよく考えて行動することね、忠告しておくわ」
涙が止まらなかった
いつもは我慢出来るのに、今まで我慢出来たのに
今日はどうしたんだろう
「一果?」
「!!!」
俯きポロポロと涙を零しながら走って来た一果を呼び止める声に一瞬立ち止まってしまった
声の主とまともに顔を会わせてしまい驚いた一果
だが、咄嗟ににっこり笑いぺこりと頭を下げるとまた走り出した
「…泣いてた?」
戸惑いながらも追いかけようとした里見を呼び止める声
「四季っ、教授が呼んでいるわ」
「あ、ああ… 今行く」