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花火

第1章 花火

時間はあっという間に過ぎた。
いつの間にか花火大会当日になっていた。

集合は18時の駅前になっていた。
私は毎年この祭りには浴衣で参加するのが常ないっている。
いつもは気にした事のない髪型や浴衣が似合っているかどうなど、いつもの私じゃなくらい気になってしょうがなかった。
家を出る前も玄関先の鏡で何度も向こう側にいる自分を見直した。

どうしてこんなにも私は緊張してるのかしら、、?

約束の時間が近づいてくるたびに緊張が増すような気がした

「七瀬さん、、?」
突然後ろから声が聞きえた
ひゃっ!?
驚いた私は変な声を出しビクッとなってしまった

「どうしたのそんなに驚いて、でも今の反応いつもの七瀬さんのキャラと違って新鮮だったかも」
彼はくすくす笑いながら言った。
もーっ!なんだが急に恥ずかしさがこみ上げてきた

「似合ってるよ、浴衣、可愛いね」

なんだかものすごく嬉しかった、彼が発する無邪気だがどこか大人っぽい余裕のある声色には何か特別な力があるように思えた

ありがと。

「それじゃ行こっか、花火始まるまで時間あるし出店でも回ろう」

二人で花火が始まるまでいろんな出店を話しをしながら回った、よく私は話題が尽きなかったなと思うほど会話は弾んでいた。

たき焼きやリンゴ飴、出店の食べものやゲームがいつもより美味しく楽しく感じた

「七瀬さん、そろそろ花火始まるんだけど、いいところ知ってるんだけど、どう?」

彼に連れて行かれるがまま着いて行った、そこは山の中を少し行ったところにある小さな神社であった。

二人並んで階段に座った、見晴らしもいい、確かに花火を見るには最高の場所かもしれない。

おそらく地元の人なら誰でも知ってるであろう神社だが、人の気配がなかった、花火大会の日なのに誰でも知ってるはずのこの神社に誰もいない事はとても不思議だと感じるともにこのベストポジションを私たち二人だけが知っているような気がして嬉しかった。

「七瀬さん」
彼の初めて聞く少し重い声に敏感に反応した

「七瀬さんの事好きです、俺と付き合ってくれませんか!」
人生初めての告白だった、正直少し驚いたが返事は決まっていた。
返事が決まってきたのは自分でもびっくりである

私でよければ是非

「本当!?」
彼は私の返事が意外だったらしい半信半疑になっていた

本当だよ、後由貴でいい

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