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彼女の恋愛

第4章 【仮】彼女

「おっそ〜い〜!!」

映画館でくるみを見つけた菫が口を尖らせる

「菫、ごめん!! 着信気付かなかった;」

「そんな事より!!矢川とどうなったのよ〜」

菫はみんなに聞こえないように身を屈ませて耳元でコソっとつぶやいた

デコルテが大きく開いた白レースのチュニックを着た菫は胸元が露わになる

「菫、チュニック可愛いけど胸みえちゃうよ…」

「これ?可愛いでしょ〜♡ でもくるみのワンピも可愛いじゃん! さては矢川を虜にする気デショ〜!」

「違うよ!バカ!」

「照れんなってw で、どうなったの〜?」

くるみは陽と仮契約を結んだことを説明した

「…なにそれ〜? あんた達2人とも変!」

「う…だってしょうがないじゃん初めてだしわかんないもん。陽の思いに応えたかったんだ」

「ふ〜ん? 陽ねぇwww」

菫はニヤニヤしたがくるみはスルーした

「あ、このあと一緒に行動しようって誘われたんだけどいいかな?」

「ウチはお邪魔になりたくないから二人でどうぞ〜♡」

「そんなんじゃないよ!菫のバカ!」

「くるみ、怖い♡ でもウチは大丈夫だよ〜」

そこに陽と相俉が近づいて来た

「話中ごめんね?松岡さんが来てくれないと俺がお邪魔になっちゃうんだけど?」

「えと、宮澤くんだっけ〜?」

「そうだよ。陽と同じ三中出身でバスケ部だよ」

「相俉とは小学校からの腐れ縁なんだ!」

よろしくね!と相俉はくるみと菫に微笑んだ
その時、菫が悪巧みを考えついたような顔をくるみは見逃さなかった

「よろしくね〜 相互☆ ウチ早く映画観た〜い♡」

菫がスルっと相俉に腕を絡める
相俉は何か考えたように間を置いたが、すぐに

「じゃあ行こうか?」

「うん♡ お先〜」

とロビーから消えていった
二人の後ろ姿をみて陽とくるみはあっけにとられていた

「…なんか、あいつらのが付き合ってるっぽいな」

「たぶん、菫ワザとだよ。煽ってるから相手にしないで…ってナニ‼︎」

陽がくるみの手を掴んで握った

「俺たちも中に入ろう!」

「う、うん…」

くるみはこれから起きる菫のいたずらと陽との初めての(仮)恋愛に悩むことをまだ知らなかった

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