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彼女の恋愛

第9章 倦怠期な彼女

「家に帰ってきてお袋に殴った理由を言え!ってめちゃくちゃぶたれてさw でも言ったら相悟が虐めにあったことがバレると可哀想だし、俺が勝手にやったことだと思って言わなかったんだよ。そしたら相悟が家に来たんだ」

くるみは陽の表情を見ながら話を聞きいっている

「お袋は相悟のこと気に入ってるからさっきまで鬼の形相だったのが菩薩のような優しさでどうしたの?って聞いたら、相悟がモジモジして手紙を渡したんだ。内容は小学生が書いたとは思えない達筆な字で[陽くんは俺をいじめから守ってくれました、怒らないであげてください]って。それからかな、あいつが俺に遠慮するようになったの」

一口アイスコーヒーを飲んで再び語り出す

「俺と相悟の好きな子が相悟に告白したんだよ、そしたらあいつ両思いのくせに断ってさ。他にも俺と付き合った子が相悟を好きになっちゃって別れた時なんて今まで仲良く接していたのに、氷のような冷ややかな塩対応で引いたよw」

陽は笑っていたがやがて落ち込んだ様に俯いた

「そんな相悟がくるみだけは本気だから困るよなー」

「陽…」

二人して黙っていたが陽が口を開いた

「話しにくいのに正直に言ってくれてありがとう。俺も相悟になんて言えばいいかまだわからないし、くるみもいろいろ考えたいだろうから今日は帰ろう」

「わかった」

「とりあえず村瀬はぶっ殺す!」

「やめてw」

二人で顔を見合わせて笑った

「あとさ、俺くるみと喧嘩した後にいろいろ考えたんだけど少し距離を置こう」

「…なんで?」

「言われて初めて気付いたんだよ。確かに俺、くるみとエッチすることばかり考えてた。今はくるみが嫌がってもやめられないから自制心つくまで待ってて」

「…陽がそういうならわかった」

二人でカフェを出て駅前でくるみが陽に話しかけた

「陽の家、反対だからここでいいよ」

「家まで送るよ」

「ううん、ここで大丈夫。また学校でね」

「わかった。気をつけて」

名残惜しそうにくるみの手を握っていたが、じゃあなと離して陽は歩き出した

くるみはしばらく陽の後ろ姿を見送って、菫の家に向かった

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