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彼女の恋愛

第14章 カレーと彼女

くるみは少し早めに起きて悩んでいた

(どうしよう…なに着よう)

引き出しやタンスを片っ端から開けてあーでもない、こーでもないと模索する

(他の先生や生徒もいるからショートパンツやミニスカ、派手なのは却下だし、かといって毎回ワンピ、スカートもエッチOKですって言ってるような感じがするし…でもパンツで行ってもしガッカリされたら)

頭がパンクしそうになったが、ふるふる首を振ってリセットすることにした

(今日はあくまで隆盛の応援なんだから、深く考えずにデニムで行こう)

ダメージジーンズにアディダスのロンT、腰に赤のチェックシャツを巻いて黒いニット帽を合わせた

(うん、今日はこれで行こう。髪は降ろすから少し巻いて、メイクはナチュラルにして…)

コーデが決まると支度も進み、家を出た

(天気良くて気持ちいい…早めに出れたし体育館まで歩こうかな)

ミネラルウォーターを片手にしばらく歩くと15分くらい前に会場に着いた

「くるみちゃん?」

振り向くと相悟がたくさんのスクイズボトルを持っている

「…手伝おうか?」

「いいの?助かる」

ミネラルウォーターをカバンにしまい、相互の手から数本受け取って給湯室まで歩く

「マネージャーが熱で来れなくなったから勝手がわからなくて困ってたんだよ。こんなに1人で持っても仕方ないことがわかって良かった」

「ふふ…お役に立てて良かった。今日の相手って強いの?」

「1回戦はそうでもないよ」

給湯室に着いてボトルに水を入れていく

「水でいいの? ポカリとか差し入れしようか?」

「試合中はいつも水だから大丈夫だよ」

話しながらボトルに水を入れていると相悟〜と陽が入ってきた

「俺も手伝う…くるみ?」

「くるみちゃんと入り口で偶然会って手伝ってくれたんだよ。ゼッケンとか救急箱の準備は?」

「大丈夫だよ、くるみこれ可愛い♡」

ボトルに水を入れている隙に陽がニット帽を取る

「可愛いでしょ? 隣駅の古着屋で一目惚れしたんだ」

「被り心地もいいね〜これちょうだい♡」

かぶりながらおねだりする陽

「やだよ!それお気に入りだもん」

「ケチ」

じゃれ合っていると相悟がため息をつく

「別れた恋人達には見えないよ」

「お?宮澤さん、ヤキモチですか?」

陽がくるみの肩に腕を乗せると相悟はギロっと陽を睨んだ

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