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彼女の恋愛

第5章 期限付きの仮彼女

「陽は小さくないよ?」

陽は笑いながら頭の後ろに手を組んで空を見上げた

「バスケプレイヤーの中では小さいんだよ。村瀬くらい身長あったらなー」

くるみは一度呼吸して静かに話した

「ねー、陽? 私も意外と根に持つタイプなの」

陽はくるみを見た

「ここ最近は朝も放課後もずっと部活だったし、夜も疲れて寝ちゃうから私淋しかったの」

「へ?」

陽は顔が赤くなってくるみを抱きしめた

「ごめん!俺、くるみに甘えてた!」

「ううん、許さない。だから…埋め合わせして?」

くるみは真っ直ぐに陽を見つめた

肩にフルルのついたカットソーにミニスカート、ニーハイにハイカットのスニーカーを履いたくるみはいつもよりガーリーで可愛い

陽もくるみを見つめてくるみの頰を手で包んで顔を近づけた

数秒の出来事だったがくるみのファーストキスはいま幕を閉じた

「…」

「…ごめん!俺、キスは正式に付き合ってからと思ってたんだけど!くるみが可愛すぎて、理性なくなって…!」

「…うん。私もそう思っていたけどキスされて嫌じゃなかった。私、陽のこと、好き…」

「え!」

「…かも…しれない」

「どっちだよ;;」

「まだよくわからないんだけど!ここ最近淋しくてLINE来た時はすごく嬉しかったし、声が聞きたくて切なかった。でも今日の試合で陽を観てカッコいいと思ったし!でも…」

くるみは気持ちを伝えるのが恥ずかしくて早口になったし、陽は言われて顔が赤くなった

「もう少しだけ【仮彼女】でいてもいい?」

「…わかった。焦らせても仕方ないし。…ただ!」

くるみは陽を見つめた

「俺もこのままでは引き下がれないから期限付きでどう?」

ニッと笑う陽

「いつまで?」

「…夏休みまで」

「…わかった」

よし!と陽は握手と手を差し出した、くるみも手を出して握手する

「これで仮契約の期限は夏休みまでになったから、残された時間は1ヶ月ちょっとしかないし全力で好きにさせる!」

「うんw よろしく」

陽はくるみを家まで送って別れた

くるみは今日も陽の姿が見えなくなるまで見送った

(夏休みまでか)

くるみは乙女モードから頭を主婦モードに切り替えてマンションのエントラスをくぐった

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