彼女の恋愛
第5章 期限付きの仮彼女
「ポジションも被ってるし、 レベルも同じくらいなんだ。陽は人懐っこいから先輩達がスタメンに推したんだけど、コーチがリーチ長いし敵の脅威になるって理由で村瀬に決まったんだ」
「あいつ練習も人一倍頑張ってきたし、くるみちゃんが観にくるからって張り切ってたんだ。良かったら慰めてやってw」
相悟は俺も荷物片付けてくるとその場を後にした
「矢川に悪いこと言った」
「陽は菫が本心で言ってないこと分かってるよ」
「…うん」
陽達を待っていると菫はトイレに行ってくると離れた
くるみが体育館の入り口で待っていると、村瀬の姿が見えた
まだお礼を言ってない事を思い出してくるみは村瀬に駆け寄った
「村瀬くん!」
「…何でしょうか?」
「あの、さっきは混乱していてちゃんとお礼も言えなくて…ありがとうございました」
「お礼は不要です。貴方に何かあると矢川が感情的になって騒ぎになり、バスケ部全体が被害被ると思ったから止めたまでなので」
それではとくるみに背を向けた
「あの! それでもありがとう」
「…」
一瞬、チラッと振り返って村瀬はスタスタ言ってしまった
「お待たせ!」
陽と相悟が戻ってきた
「菫は?」
「お手洗いに行ってるよ」
「じゃあ俺待ってるから二人は先に帰りな?」
相悟か柔らかく笑うと陽がじゃあお先とくるみの手を握って歩き出した
「菫と仲直りしなくていいの?陽に悪いこと言ったって気にしてたよ」
「ん?松岡のことは怒ってないけどあいつには数え切れない暴力を受けてるから1日気にさせてもバチは当たらないでしょw」
ふっとくるみは笑った
「知らなかった!陽って意外と根に持つタイプなのね」
「そうだよ?だからくるみが村瀬に庇われたのも根に持ってるよ」
くるみはびっくりして陽を見る
陽はくるみをギュッと抱きしめた
「ん!これで浄化完了」
「陽…ここまだ学校だよ」
「じゃあ急いで出るかw」
くるみと陽は手を繋いで外に出た
いつもの公園のベンチに腰をかける
「今日は観に来てくれてありがとう。嫌な思いもさせちまったし、大した活躍も出来なくて悪かった」
「何いってるの! 陽がいつも頑張っている成果出てたじゃん。」
くるみは励ますが陽は首を振った
「あ〜あ、なんであと5㎝伸びなかったんだろう」