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3月の僕たち

第2章 雑談2

「何見てるの?」

僕が横から覗き込む

「この間、亜里沙ちゃんに星座占いの本借りた」

「あああ、バレンタインの少し前から嵌っているみたいだったけど・・・」


圭一がポソリと呟いた。

「お、上出は蠍座かぁ。ダイと相性いいじゃん」

「上出君の誕生日なんてよく知っていたね」

「ああ、ハルちゃんの誕生パーティーの時にチラッとね。ハルちゃんと上出の相性は86%だってさ」


 なんだかんだと上出君のこと気に入っているんだな。


「そう、僕と圭は?」

「94%」


 結構高い数字で嬉しくなる。
たかが占いなんだけど・・・中途半端な数字ってところがついつい信じたくなる。


「ふ~ん、そんなもんかな・・・」


圭一は僕に不満があるというのか?思わず表情がこわばった僕を見て、ニヤリと笑う。


「俺たち120%じゃね?」

「・・・バッカじゃないの、そんな数字じゃ信憑性なくて女の子にウケないから・・・」


 圭一は、満足げに微笑むと僕を胸に抱え込んだ。


「おおっ!!ダイと泰弘は88%だってさ―――ということで、具材の買い出しは泰弘とダイで行って来い」


 せっかく甘い気分になりかけていたのに、急に圭一が話しの本筋に戻り僕は納得がいかず声をあげる。


「ええっ――?!」

「クスッ、僕も手伝いますから」

 ハルちゃんが少し首をかしげて僕に微笑みかけてきた。

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