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3月の僕たち

第3章 雑談3

 ハルちゃんのひときわ辛そうな悲鳴が聞こえて、僕は思いっきりドアを開け叫んだ。

「君たちッ、何してんだ?!人に買い出しに行かせて、こんな・・・」

「泰弘、落ち着け」


床に寝そべるハルちゃんの膝裏をグーで押さえているダイがポカンと僕を見ている。

上出君はハルちゃんを挟んで向かいにしゃがみ、まごの手を指し棒代わりにダイの手元辺りを指していた。


「・・・・・・」

「あれ・・・?」


 圭一に腕をつかんで引っ張られて、勘違いだったことに気づく。
三人とも僕が思っていたようなことをしていた様子は・・・ない。


「ただマッサージのツボを教えてただけです。
ダイさんが慶矩にしてやりたいっていうから。何を勘違いしたのやら・・・」


 上出君が呆れて呟く。


「だって、以前もこんなことあっただろう」


 上出君をチラリとみると、スッと視線を外す。


「それにハルちゃんの声があんまり・・・」


 僕がチラリとハルちゃんを見ると、妖艶に微笑む。


「あれで泰弘さんをその気にさせられるなら易いものですね、フフッ」

「誘惑するなら俺も―――なんなら上出含め4Pでも・・・」


圭一が調子に乗ってハルちゃんにズイと身を乗り出し、上出君に奴突かれてる。


「先ほどお布団が来たので各部屋に入れておきました」

皆でお泊りするためにレンタル布団まで頼んで、まるで合宿のようだ。


「山口君と泰弘君は真ん中の部屋、ハルちゃんと上出君は父の部屋を使ってくれる?お布団はレンタルで入れておいたからね」


ダイがクスクス笑いながらお泊まり部屋の指示をする。

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