3月の僕たち
第8章 雑談8
室内では皆がワイワイやっているのを眺めていると、あっという間にチョコの滝の向こうが透けて来て
「チョコ足んねぇ」
と誰かが叫ぶ。
「あ、付けたしますね」
とハルちゃんが上出君に駆け寄ってきた。
上出君は手際よくチョコソースを渡し見送った。
上出君は本当によく全体が見えているんだなぁ。
戻ったハルちゃんに圭一が訊ねる。
「先週ダイが作ったのとちょっと違うか?悪いけど、今日の方が断然食べやすい。材料がいいのか?」
「ダイさんのチョコソースは滑らかにするためにオリーブオイルを使っていたから、カカオオイルにかえたって・・・ねえ上出先輩?」
「ああ」
ハルちゃんの声に応えた張りのあるいい声にバドの部員たちがこちらを振り返った。
「おい、上出って月陵の・・・?」
「おお、月陵高生で丸山のボディガードだよなぁ?」
「そうじゃなくて・・・お前知らないのか?月陵高の上出って言ったら全国模試のランキングで必ず名前が挙ってる・・・」
先ほどまで食気一色だった部員たちがようやく上出君がいる事に気がついて顔色が変わる。
少し室内の空気が変わった時、元気のいい声が窓の外から飛び込んできた。
「チョコ足んねぇ」
と誰かが叫ぶ。
「あ、付けたしますね」
とハルちゃんが上出君に駆け寄ってきた。
上出君は手際よくチョコソースを渡し見送った。
上出君は本当によく全体が見えているんだなぁ。
戻ったハルちゃんに圭一が訊ねる。
「先週ダイが作ったのとちょっと違うか?悪いけど、今日の方が断然食べやすい。材料がいいのか?」
「ダイさんのチョコソースは滑らかにするためにオリーブオイルを使っていたから、カカオオイルにかえたって・・・ねえ上出先輩?」
「ああ」
ハルちゃんの声に応えた張りのあるいい声にバドの部員たちがこちらを振り返った。
「おい、上出って月陵の・・・?」
「おお、月陵高生で丸山のボディガードだよなぁ?」
「そうじゃなくて・・・お前知らないのか?月陵高の上出って言ったら全国模試のランキングで必ず名前が挙ってる・・・」
先ほどまで食気一色だった部員たちがようやく上出君がいる事に気がついて顔色が変わる。
少し室内の空気が変わった時、元気のいい声が窓の外から飛び込んできた。