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第3章 ~悪夢~
「これ、何の書類なんですか?」
今更足掻いても仕方がないと思い直し、花音は山積みに置かれた書類の前に座ると、一束を手に取った。
「うちの会社の企画書とプレゼンの資料の束。本社に送り返せばいいんだけど、つい溜めちゃってさ。」
「これ、月別に分けるんですか? それとも、書類別?」
花音は手早く日付を確認しつつ、仕分けていく。
「両方。月別に、書類別にして。昨年困ったんだよ。月別にしとけば良かったかなと思って。」
「…わかりました。」
事務的に返した花音を眺め、直生は気になった事を聞いてみた。
「君さ、いつまで…レポートの仕事するの? 次戦のモナコもするの?」
「一応、今のところ…ベルギーGPまでは仕事入ってますけど。どうしてですか?」
手を動かしながらそう問い返す花音に、直生は悪戯っぽく口を開く。
「…うん。この怪我が治るまで、責任とって貰おうと思って。」
「直生っ! ミーティングするぞ。」
凜が後からそう言って、直生をせかす。
「…俺、これから仕事だからさ。花音ちゃんも時間来たら、仕事に戻ってね。」
お気楽に直生はそういい残し、ミーティングルームへと歩を進めた。
今更足掻いても仕方がないと思い直し、花音は山積みに置かれた書類の前に座ると、一束を手に取った。
「うちの会社の企画書とプレゼンの資料の束。本社に送り返せばいいんだけど、つい溜めちゃってさ。」
「これ、月別に分けるんですか? それとも、書類別?」
花音は手早く日付を確認しつつ、仕分けていく。
「両方。月別に、書類別にして。昨年困ったんだよ。月別にしとけば良かったかなと思って。」
「…わかりました。」
事務的に返した花音を眺め、直生は気になった事を聞いてみた。
「君さ、いつまで…レポートの仕事するの? 次戦のモナコもするの?」
「一応、今のところ…ベルギーGPまでは仕事入ってますけど。どうしてですか?」
手を動かしながらそう問い返す花音に、直生は悪戯っぽく口を開く。
「…うん。この怪我が治るまで、責任とって貰おうと思って。」
「直生っ! ミーティングするぞ。」
凜が後からそう言って、直生をせかす。
「…俺、これから仕事だからさ。花音ちゃんも時間来たら、仕事に戻ってね。」
お気楽に直生はそういい残し、ミーティングルームへと歩を進めた。