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第6章 ~スクープ~

 翌朝、瞳を開くと、


彼女はもう目を覚ましていた。




「お早う。」



何故か心配げに覗き込んでる彼女に笑みを浮かべ、


直生はそう挨拶をすると、


彼女は直生の脇腹をさすってきた。




「直生さん、大丈夫ですか?


 私、無理させました?」




「ん……? そんなことないよ。


大体俺が強引にしたんだから、


気にする必要ないでしょ?」




昨夜、かなり長い間……


花音との情事に夢中になっていた間は、


特別痛みなど感じなかったのだが……。


彼女が寝入ってしまった後、


直生は激痛に襲われてしまった。


痛みを忘れる手段として、


花音を抱き寄せて


ようやく眠りについたのだ。




「直生さんって、


嘘つくの下手ですね。


…寝てる間、ずっと顔が歪んでましたよ。


痛み止めが切れてすごく痛いんでしょう?」




花音の手厳しい指摘に、


直生は苦笑いを浮かべた。




「いつから見てたの? 


そんなに見惚れるほど


俺っていい男?」




「……直生さんって、


確信犯なんですね。


…見惚れてたわけじゃないですよ。


心配して見てたんです。」




「なんだ。


俺に惚れたのかと思っちゃった。」




残念そうにそう言うと、


直生は彼女を抱きしめていた手をほどき、身を起こす。


…直後、再び激痛が走った。

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