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第10章 〜浮気騒動?〜
そんな問題になっているとは知らないまま、
、直生はいくつか取材をこなしつつピットに顔を出すと、
重苦しい雰囲気が漂っていた。
「ただいま……って、
何でこんなに暗いわけ?」
「ちょっと、直生。こっち。」
顔を出した直生に、凜は腕を引っ張りつつ外に連れ出した。
「なんだよ?」
「直生、浮気疑惑かかってる。
花音ちゃんがお前のキスシーン目撃したとかで、
問題になってる。早いうちに謝ったほうがいい。」
「誤解だって。
……亜紀に別れ話つけてきただけ。
そしたら、挨拶代わりにキスされただけだよ。」
頬を引きつらせつつ、直生は凜にそう言った。
「だったら、花音ちゃん本人にそう弁明したら?
彼女もだけど、栞が……かなりご立腹だ」
「……分かったよ。」
栞が腹を立てることはかなり珍しい。
その栞が怒っているというのだから、花音も当然かなりご立腹に違いない。
……そう思いながら直生はピットの奥に足を踏み入れた。
「直生さん、どういうことでしょう?」
営業スマイルでそう聞いてきた花音の瞳は笑っていない。
直生は表情を強張らせつつ、潔く謝った。
「花音、ごめんっ!
今日会ってたヒトは、俺の遊んでた人の一人でね。
元々、女友達でさ。ちゃんと別れ話してきたんだ。」
「別れ話するのに、どうしてキスする必要があるんでしょうね?
…直生さん。」
「だから、誤解なんだって。
あれは、亜紀が別れ際に挨拶程度にしてきたんだ。」
「挨拶で女友達とキスしちゃうんだ?
そもそも女友達に手を出しちゃうんだね、直生さんって……。」
、直生はいくつか取材をこなしつつピットに顔を出すと、
重苦しい雰囲気が漂っていた。
「ただいま……って、
何でこんなに暗いわけ?」
「ちょっと、直生。こっち。」
顔を出した直生に、凜は腕を引っ張りつつ外に連れ出した。
「なんだよ?」
「直生、浮気疑惑かかってる。
花音ちゃんがお前のキスシーン目撃したとかで、
問題になってる。早いうちに謝ったほうがいい。」
「誤解だって。
……亜紀に別れ話つけてきただけ。
そしたら、挨拶代わりにキスされただけだよ。」
頬を引きつらせつつ、直生は凜にそう言った。
「だったら、花音ちゃん本人にそう弁明したら?
彼女もだけど、栞が……かなりご立腹だ」
「……分かったよ。」
栞が腹を立てることはかなり珍しい。
その栞が怒っているというのだから、花音も当然かなりご立腹に違いない。
……そう思いながら直生はピットの奥に足を踏み入れた。
「直生さん、どういうことでしょう?」
営業スマイルでそう聞いてきた花音の瞳は笑っていない。
直生は表情を強張らせつつ、潔く謝った。
「花音、ごめんっ!
今日会ってたヒトは、俺の遊んでた人の一人でね。
元々、女友達でさ。ちゃんと別れ話してきたんだ。」
「別れ話するのに、どうしてキスする必要があるんでしょうね?
…直生さん。」
「だから、誤解なんだって。
あれは、亜紀が別れ際に挨拶程度にしてきたんだ。」
「挨拶で女友達とキスしちゃうんだ?
そもそも女友達に手を出しちゃうんだね、直生さんって……。」