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第2章 ~クラッシュ~
彼女とディナーをとったあと、他愛ない雑談をして直生は彼女が泊まっているホテルの前まで送っていったところであった。
「じゃあね。明日の決勝、もうサーキットの中に入ったらダメだよ。…もう懲りたでしょ?」
冗談交じりにそう言うと、花音は笑みを浮かべ返してきた。
「直生さん、無理しないでくださいね。…本当は、すごく痛いんでしょう?」
「…え?」
「だって、ずっと…動くたびに押さえてるから。」
鋭い彼女の指摘に、直生は固まった。
「…やだな。良く見てるね。チームには内緒にしてね。…実は、すっげぇ響く。」
片目を瞑りつつ、直生は押さえていた掌をはずすと、ふぅーっと、息を吐き出す。
ほんの少し、汗が流れた。
「直生さん?」
流れた汗を拭こうとした彼女の手を直生は掴んだ。
そうして引き寄せると、強引に彼女の唇を塞ぐ。
「…んん、やぁ。」
彼女が抵抗しようと唇を開いた瞬間を逃さず、直生は舌を口内に侵入させると、夢中で舌を絡ませる。
(やばいっ、これ以上したら止められなくなる。)
貪るように口内をかき回したのち、直生は唇を離した。
そうして、放心状態の彼女に口を開く。
「あのさ、君…隙ありすぎ……。」
「え…?」
「肋骨の罅がなかったら、俺なら襲ってる。あんまり男に優しくしないほうがいい。男は馬鹿だからさ、ちょっとの優しさを好意だと受け取っちゃうんだから。」
自嘲気味にそう言うと、直生は…彼女に掌を振る。
「明日、午前中に迎えに来る。雑用、しっかり片付けてね。」
彼女は、ぽかん…と直生の後姿を見ていた。
「じゃあね。明日の決勝、もうサーキットの中に入ったらダメだよ。…もう懲りたでしょ?」
冗談交じりにそう言うと、花音は笑みを浮かべ返してきた。
「直生さん、無理しないでくださいね。…本当は、すごく痛いんでしょう?」
「…え?」
「だって、ずっと…動くたびに押さえてるから。」
鋭い彼女の指摘に、直生は固まった。
「…やだな。良く見てるね。チームには内緒にしてね。…実は、すっげぇ響く。」
片目を瞑りつつ、直生は押さえていた掌をはずすと、ふぅーっと、息を吐き出す。
ほんの少し、汗が流れた。
「直生さん?」
流れた汗を拭こうとした彼女の手を直生は掴んだ。
そうして引き寄せると、強引に彼女の唇を塞ぐ。
「…んん、やぁ。」
彼女が抵抗しようと唇を開いた瞬間を逃さず、直生は舌を口内に侵入させると、夢中で舌を絡ませる。
(やばいっ、これ以上したら止められなくなる。)
貪るように口内をかき回したのち、直生は唇を離した。
そうして、放心状態の彼女に口を開く。
「あのさ、君…隙ありすぎ……。」
「え…?」
「肋骨の罅がなかったら、俺なら襲ってる。あんまり男に優しくしないほうがいい。男は馬鹿だからさ、ちょっとの優しさを好意だと受け取っちゃうんだから。」
自嘲気味にそう言うと、直生は…彼女に掌を振る。
「明日、午前中に迎えに来る。雑用、しっかり片付けてね。」
彼女は、ぽかん…と直生の後姿を見ていた。